第4期いこま未来Lab Day4中間報告会レポート
こんにちは!地域コミュニティ推進課の松尾です。
本レポートは、9月16日(月曜日・祝日)に開催された「いこま未来Lab」Day4の様子をお届けします。
いこま未来Labは、生駒市をフィールドに高校生・大学生が地域の大人と一緒に、自分たちで企画したプロジェクトに取り組む実践型のワークショップです。
生駒市で活躍されているプロジェクトマネージャー(以下PM)やまちの大人と出会い、伴走してもらいながら、学生主体でプロジェクトの企画立案、支援者の募集、プロジェクトの実践まで一貫して行います。
生駒台自治会の課題を解決するチーム
(一社)和草「しおのめハウス」の課題を解決するチーム
Day4の中間報告会では、上記の2チームに分かれ、学生たちが各チームで設定したテーマの背景やこれまでの活動内容、今後の計画を報告しました。また、プロジェクトの実践に向けて、現在足りないものや知恵を貸してくれる方、共に活動してくれる仲間を募ることがゴールです。
Day3の様子はこちらからどうぞ。
まずは意気込みを話すことからスタート
学生たちは、中間報告会に向けて、各チームで対面やオンラインでミーティングを重ね、企画案を練ってきました。Day1では、「これからどうなっていくんだろう。」と不安や緊張がいっぱいだった学生ですが、回を重ねるごとに心の距離も縮まり、今ではワークショップ開始前でも自然と会話が生まれるように。
そんな温かい雰囲気の中、全員の意気込みを一言ずつ話すことからDay4はスタート。中間報告会に向け、学業と両立して企画を考えてきてくれた学生たち。「プロジェクトの魅力を伝えるために頑張りたい!」や「緊張するけど、自分たちのプロジェクトや想いを伝えるために頑張りたい!」など様々な意気込みが出てきました。前向きな学生の姿に運営側も「学生たちのためにもより一層頑張ろう!」と力をもらいました!
ついに中間報告会がスタート!
午前中にリハーサルを行い、お昼ご飯を済ませたころには参加者がずらり。市内で活躍する大先輩から、過去にいこま未来Labに参加した高校生や大学生まで、約15名が集まりました。
中間報告会では学生が取り組み内容を発表し、参加者から様々なフィードバックをいただきます。今までの話し合いでは出なかった意見などを参加者からいただくことで、企画をよりブラッシュアップしていきます。
会場にはこれまでにはない緊張感が漂う中、最初のチームの発表が始まります。
最初の発表は生駒台自治会チーム
最初の発表は「生駒台自治会チーム」です。生駒台自治会が抱える課題を解決するために、学生主催のイベント「ポテ♡フェス」「ちびっこ広場」の開催を試みています。
生駒台自治会は、令和5年度から複合型コミュニティ(まちのえき)づくりに取り組んでいます。こどもから大人まで多くの世代が自治会館に集えるように月に一回、野菜やスイーツの移動販売、絵本の読み聞かせや映画の鑑賞会など様々な企画を行っていますが、「まちのえきに訪れる学生が少ない」という課題を抱えています。
チームメンバーは「いこま未来Labに参加するまでは、自治会が何をしているのか知らなかったし、堅いイメージを持っていたが、実際に訪れてみることで自治会の魅力を理解することが出来た。」と話してくれました。そこで、自治会館を「学生と地域が繋がる場」「学生がやりたいことを実現できる場」にすることで、若者に対し、地域活動に興味を持ってもらえるよう、学生主催のイベントを計画中です。「ポテ♡フェス」と題したイベントでは、参加者はお芋を持ち寄り、焼いている間にたき火を囲みながら談笑することができます。「コロナ禍で出来なかった学祭を自治会館で開催することで、自治会館の幅広い活用方法を学生に知ってもらいたい!」と熱く語ってくれました。
また、イベント開催にあたり「色々な要素を取り入れた学祭にしたい!」という想いがある生駒台自治会チームは、「ちびっこ広場」も同時開催することを計画中です。
このイベントの発案者はチームメンバーの高校生。
当初は、保護者の出勤時間が早く、授業までの時間を独りで過ごす小学生のために、朝に利用できる学童保育「朝学童」を運営したいと考えていたようですが、平日はチームメンバーも学業があり、なかなか実践できません。
そこで、「朝学童」を実現するための第一歩として「ちびっこ広場」の開催を企画しました。イベント実施日が休日であることから、より多くの方に「朝学童」を知ってもらいたいという思いを込めて、対象を「小学生」だけでなく「8歳まで」と広げたようです。「こどもたちが楽しく遊べる場所を作りたい!」という想いのもと、学生が絵本の読み聞かせをしたりお絵描きコーナーやゲームコーナーを自治会館の中に設置する予定です。
「ポテ♡フェス」では、会場スタッフの募集やたき火用の薪、お芋の調達方法に、「ちびっこ広場」では、こどもたちの遊び道具の調達方法、スタッフやこどもの参加者の募集に苦戦しているようです。
発表後、参加者からは、
ポテフェス楽しそう!!
周辺の学校にチラシを配架するなどして呼びかけると良いと思う!
提供したおもちゃのイベント終了後の活用方法などは検討していますか?
参加費がお芋ってアイデアがすごくいいと思う!
などのフィードバック・質問をいただきました。イベントを実践したことがある方だからこそ出る意見やアイデアもあり、今後の活動の参考になりそうです。
次の発表はしおのめハウスチーム
次の発表は、「しおのめハウスチーム」です。しおのめハウスが抱える課題を解決するために、生駒市の風景が印刷されたオリジナルポストカードの作成を試みています。
しおのめハウスは、(一社)和草(にこぐさ)が運営する生駒市内の民泊施設です。築50年の昭和感漂う古民家で、宿泊のほかイベントスペースとしても利用することができるこの場所には、海外の人もたくさん訪れます。そんなしおのめハウスは、「地域の人にしおのめハウスがどのような場所か、何をしている場所なのかがあまり知られていない。」という課題を抱えています。「より多くの人に訪れてもらえるような場所になるとともに、宿泊に来た観光客と生駒を繋げる拠点となりたい!」というしおのめハウスの想いを受け、チームメンバーが考案したのはポストカードを通じた交流の仕組みでした。
作成するポストカードは①「宿泊者が観光した場所の絵や感想を記入するポストカード」と②「生駒のおすすめスポットの写真が印刷されたポストカード」の2種類。①のポストカードを宿泊者が記入してしおのめハウスに提出し、それと交換で②のポストカードを渡すという仕組みです。②のポストカードは数種類用意しランダムで渡すことで、「他のポストカードも欲しい!もう一度生駒に来てしおのめハウスに泊まろう!」と思ってもらえるというメカニズムです。
当初はただポストカードを配布するだけの予定でしたが、単に「あげる、もらう」の関係では勿体ないと思ったチームメンバーは、観光客にもポストカードを作成してもらい、交換する制度を考案しました。「ポストカードを見返して、『また来たい!』と思ってもらいたい!そこから他の人の手に渡った時、見た人にも生駒に来たいと思ってもらいたい!」と語ってくれました。
ただ、ポストカードに印刷する生駒のおすすめスポットをチームメンバーだけで考えるのはとても大変です。そこで、「しおのめ交流会」と題し、地域の方と生駒のおすすめスポットについて語り合うイベントを開催すると話してくれました。そのイベントで出たおすすめスポットを参考にポストカードを作成し、観光客にプレゼントします。
そんな彼らは、イベント参加者の募集に苦戦しているようです。
発表を聞いた参加者からは、
有名な場所よりも見たことのないようなおすすめスポットを写真にすると、「こんなところがあったのか!今度行ってみよう!」と思ってもらえそう。
ポストカードに、しおのめハウスのオーナーの顔写真付きの刺さるコメントを入れたら、印象に残りそう。
しおのめハウスから半径100メートルの穴場スポットなど、ディープな内容でも面白そう。
などの意見が出ました。確かに生駒市のおすすめスポットも良いのですが、協力先の「しおのめハウス」の要素を取り入れた方がより良くなるかもしれませんね。「団体の課題を解決する」という事業の根本を振り返ることが出来るようなフィードバックをいただきました。
最後は参加者とのアイデアワーク
報告会を終え、参加者から多くの意見・アイデアをいただいたおかげで、学生は、今までは気が付かなかった新たな課題や視点を知ることが出来ました。参加者の中には「イベントに是非とも協力したい。」という前向きな意見もありました。
最後は、参加者とのアイデアワークを行います。発表を聞いた参加者は、それぞれのチームに分かれ、学生に対してどんな支援が出来るのか、今後どう協力し合っていくのかを話し合います。
①生駒台自治会チーム
幼稚園の校長先生と同級生なので声かけが出来ます!
自治会のイベントでサツマイモ収穫祭を開催するので、当日協力いただければお芋の調理方法、スタッフの規模間や必要な物品の調達方法などのノウハウを教えることが出来ます!
幼稚園にイベントポスターを掲示するなど、事前PRが重要だと思います。
ちびっこ広場は、こどもと大人のエリアを分けて、大人が休憩できる場所があれば嬉しい。「親はこどもが見える場所で休憩することができ、学生とこどもだけで遊んでくれる」などのワードがあればいいのではないでしょうか。見える場所で遊んでくれると精神的に楽です。
などの貴重な意見が飛び交いました。生駒台自治会チームは、アイデアワークの後、SNSで参加者とのオープンチャットを作成し、今後も中間報告会に来てくれた人とやり取りすることが出来る仕組みをつくるなど、今後のプロジェクトに一層熱が入りました。
②しおのめハウスチーム
Instagramを活用した周知が出来れば良いのでは。SNSを活用すれば輪が広がると思う。
景色だけでなく、生駒の名産品などの写真も面白いのではないか。
ポストカードに入れる写真を推薦した方の「想い」を掲載できればいいのではないか。
過去にいこま未来Labに参加したことがあるのですが、実践イベントは1回だけでなく、2回実施した方が良いと思います。
などのご意見をいただきました。1回の実践だけではなく、1回目の反省を踏まえたうえで、2回目の実践を行うことに意味があるという点は、過去にイベントを企画・実践した経験がある学生だからこそ思うことです。イベントを実践するうえで大事なことを教えてもらいました。
中間報告会を終えて
緊張や不安を乗り越え、想いを伝えた中間報告会。報告会を終えた学生からは、「前回参加者の経験談が非常にためになった。」「アドバイスをもとにして頑張りたい。」「イベント経験者の方やお母さん方の意見が非常に参考になった。いただいた意見や提供していただけるものなどを活かし、今後の活動に取り組みたい!」と話してくれました。
いこま未来Labの最大の目的である「地域の大人と学生が、年齢や学校などの枠を超えた『まちの友達』になること」がこの中間報告会で少し達成できた気がします。地域の方々が大先輩でありながらも、学生と対等な目線でプロジェクトについて考えてくれたおかげで、フラットで心地の良い関係性が出来たのではないでしょうか。
次回は最終報告会です。3か月間のプロジェクト実践期間を経て、最終報告会を行います。学生のプロジェクトに興味を持った方がいらっしゃいましたら、是非来ていただきたいです!
各プロジェクトの詳細はこちら
最終報告会もレポートを更新するので気になる方は是非チェックしてみてくださいね!
現場からは以上です!