見出し画像

いこま未来Lab Day2フィールドワーク・チーム分け会レポート


こんにちは!ここにあるインターンの伊藤です。

8月11日(日)に生駒市役所で開催された「いこま未来Lab」Day2の様子をお届けします。

いこま未来Labは生駒市をフィールドに、高校生・大学生・地域の大人が一緒になって、新しい企画や活動に取り組むプログラムです。

既に地域で様々なご活躍をされているプロジェクトマネージャー(以下「PM」という。)のもと、半年間で全5回のプログラムを通じて、様々な地域活動を知る事例紹介からプロジェクトの企画立案や支援者の募集、プロジェクトの実践までを行います。

Day2では、今後進めていくプロジェクトのテーマ決めとチーム分けを行うことがゴールです。「自分は誰とチームになるんだろう?」「そもそもみんなの意見がまとまるのかな?」など、不安がいっぱい。今回も、プログラムに参加してくれた高校生と大学生スタッフたちの様子をお届けします!

Day1の様子も知りたい!という方はこちらからどうぞ。

文:ここにあるインターン 伊藤茅花(いとう つばな)

大学生スタッフ考案のアイスブレイクからスタート

Day1から2週間ほどが経ち、再び緊張している様子で会場に到着した高校生たち。前回でかなり仲良くなったものの、会うのは今回で2回目です。そんな高校生の緊張をほぐすために、今回は大学生スタッフ考案のアイスブレイクからスタート。

アイスブレイクを担当したのは、司会進行を務めるのも初めての大学生スタッフ3人。アイスブレイクがはじまる直前まで、何度も進行表や伝える言葉を確認。緊張から、段々口数も少なくなっていきました。

「ただ言われたことをこなすのではなく、自分たちで主体的につくっていく意識を持って今後プロジェクトを進めてほしい」との想いで企画したアイスブレイク。この想いを届けることを胸に、大学生スタッフ・坂元くんの「おはようございます〜!」と元気な挨拶が響き渡ります。

高校生たちは「うんうん」と頷きながら聞いてくれて、段々と場が温まってきました

アイスブレイクの内容は「生駒クイズ大会」。出題されたクイズにただ回答するだけではなく、自分たちでクイズをつくってもらいます。

「生駒山上遊園地の飛行塔は何年に建てられたか?」「生駒市にある小中学校の数は?」など、絶妙な問題をどんどんつくり出す高校生たち。生駒で活動されてきたPMの方も知らない情報ばかりで、豆鉄砲をくらっていました。

グループに分かれてクイズを作成。賑やかな雰囲気でクイズの作成と出題が進んでいきます

どのチームも答えを簡単に当てられないように必死に工夫したせいか、正答率は結構低めに(笑)。みんなで悩んだおかげで、高校生同士だけではなく、PMや大学生スタッフとの仲も再び深まりました。

この様子を見た大学生スタッフたちは一安心。時間管理にまで意識が回っていなかったと反省点は残りつつも、市役所職員の方々からは大絶賛してもらいました。

生駒駅周辺をフィールドワーク

場の雰囲気が温まったところで、続いてはテーマ決めに必要な準備をしていきます。

「生駒にはどんな資源や課題があるんだろう?」

現時点でこれらに詳しい高校生は少ないはず。まずはまちを歩き、まちで活動する方にお話を聞きながら、生駒の資源や課題を発見するためのフィールドワークに出かけます。

市役所職員の白川さんの案内のもと、フィールドワークがスタート

ぞろぞろ歩く中でも、まちを見ながら珍しいものやお店を発見しては賑やかに話す高校生たち。ただ移動のために歩くのではなく、「まちを観察しながら歩く」ってやってみると案外おもしろいものです。

「生駒市市民活動推進センターららポート」に到着!

まず立ち寄ったのは、生駒市市民活動推進センターららポート(以下「ららポート」という。)。ららポートの職員さんが施設の説明と、どんな活動をしているのかを話してくれました。

ららポートは、ボランティアをしたい人としてほしい人や団体をつなぐ施設です。現在、89の団体と198人の個人ボランティアがららポートに登録しているそう。個人ボランティアの年齢は学生から高齢者までと幅広く、学校外での友達づくりや定年後の楽しみを見つけにきているなど、目的は人それぞれ。「ボランティアをはじめてみたいけど、どうしたらいいのかわからない」と困っている人は、ららポートに相談しに行くと自分にあったボランティアを見つけることができます。

そして、実際にららポートに登録し、沢山のボランティアとともに生駒で活動をしている団体2組にお話を聞くことができました。

①NPO法人 市民活動サークルえん

まずは、NPO法人 市民活動サークルえん(以下「サークルえん」という。)の代表である礒野さんのお話を伺いました。

実は第2期のいこま未来Labにも関わってくれていた礒野さん

サークルえんでは、ハンディキャップのある中高生の方々に対して、放課後等デイサービスの事業を中心に地域活動やボランティアの機会を提供し、自立に向けた様々なスキルの習得や社会との繋がりをつくるサポートをしています。

「ハンディキャップのある方が地域活動に参加するだけでなく、いろんな人と出会って自分らしい生き方を自己選択・自己決定をして、自立してほしいと願っています。そのため、もっと沢山の人とボランティアを通してつながりをつくりたいと考えています。休日は遊ぶだけではなく、ボランティアという選択もある。趣味の延長でボランティアを楽しんでほしい」と語ってくれました。

②一般社団法人 和草~にこぐさ~

続いて、一般社団法人 和草〜にこぐさ〜(以下「和草」という。)の代表である溝口さんのお話。和草では「食と学びで人がつながる」を活動理念として、不登校児童のためのフリースクールや個人塾、子ども食堂、ゲストハウス運営などの活動をされています。

かつては子ども英語塾の講師や保育士をされていた溝口さん。
子どもと直接関わる中で、生駒の子どもの現状に気づき、現在の活動に取り組むように

保育士の資格を取得するための勉強中に、しっかりご飯を食べている子は思春期になっても精神的に安定している子が多いことを学んだという代表の溝口さん。生駒市でも子どもの食事にまで手が回っていない家庭もあり、毎日の朝ごはんにお菓子を食べているケースがあることを知り、子ども食堂の設立を決めたそうです。

しかし、どうやって子ども食堂をつくればいいかわからない。そんな時に溝口さんが相談したのが、ららポートでした。当初は子ども食堂に対する認知がなかなか広がらないことに苦悩したようですが、地道にチラシを配り続け、現在ではたくさんの子どもたちが来てくれるようになっただけでなく、地域の方々が食材を提供してくれたりもするのだとか。

実は、第3期いこま未来Labに参加してくれている高校生の立石さんが和草の活動に関わっており、立石さんにもお話を伺いました。

自分が携わっている活動をとっても楽しそうに話す立石さん

立石さんは高校生が運営する民泊「しおのめハウス」で、お部屋の改装や訪日外国人観光客に生駒を案内することなどを担当しているそう。

「自分の意見が言いやすい雰囲気が好きですね。みんながフレンドリーだから楽しく活動ができるし、学校以外の友人や大人の知り合いなど、人とのつながりや交流を広げられるのが良いところです」と、熱く語ってくれました。

ららポートや登録団体の活動などについて知識が深まった高校生からは、以下のような感想が。

  • 子どもに関する取組は地域の方がたくさん協力していると感じた。だから僕たちも色んな人を巻き込んでいきたい。

  • しおのめハウスのように高校生でも多世代の人と活動できる場所があるんだと知った。

  • 今までボランティアをしたいと思っていたけど、どんなボランティアがあるのか、どう始めたらいいのかわからなくて困っていた。これからはららポートに行こうと思う。

すでに高校生たちの熱量は最高潮。しかしまだまだ地域を回るため、ららポートを後にします。

続いては民泊「しおのめハウス」を見学

生駒駅前図書室を少しだけ見学した後、先ほどお話を聞いたしおのめハウスの見学に向かいます。

生駒は坂が多く、高校生たちはすいすい進んでいきますが、大人は息切れする人が続出。「生駒駅には乗り換えでしか来たことがないから、こんなにも坂があるとは知らなかった!」と驚く高校生も。元気です。

そんなこんなで、空き家を活用した現在のしおのめハウスと今後活用予定の新しおのめハウスの物件の二つを見学。

現在のしおのめハウスでは、先ほどの立石さんの話を思い出しながら、みんなで施設の中を見学。民泊としてだけではなくフリースクールにも使われており、沢山の子どもたちが勉強したり遊んだりしているようです。

こちらは新しいしおのめハウスとなる予定の物件。家屋だけでなく、庭も広い!

しおのめハウスを見学した高校生たちの感想がこちら。

  • 古民家がとにかく大きいので、子ども向けのイベントなどでも活用できそう。

  • 家の裏にたくさんの竹があるので、広い庭で流しそうめんなんかもできるかも?

  • しおのめハウス以外にも沢山の使われていない古民家があることが課題だと感じた。

実際に足を運び、現地を見て感じたからこそ、課題や資源だけでなく自分のしたいことやアイデアも浮かびます。

フィールドワークの最後は「Kininalu」

最後は、近鉄生駒駅近くの不思議なカフェ「Kininalu」の見学に。
開店時間は固定ではなく、店長は日替わり。時々ギャラリーになったり、お弁当屋さんになったりもする不思議なカフェ。ちなみに2階は紹介制のコワーキングスペースにもなっています。

外観を見て、「レトロでかわいい〜」との声が沢山

PMの小林さんや田村さんもコワーキングで利用するほか、日替わり店長をしたり、イベントの開催もされているそうです。カフェというひらかれた場所だからこそできることや、気軽に立ち寄ってくれる人もいそうですね、と見学の高校生。鋭い目線。

あっというまのフィールドワークはここで終了。実際に足を運んで説明を聞くことで、地域の資源や課題を肌で感じることができました。

生駒の資源を書き出してみよう

午後からは、フィールドワークで新たに見つけた資源や課題を振り返りながら、半年間に渡って取り組むプロジェクトのテーマ決めを行います。

いきなりテーマを考えるのではなく、まず最初は下記の3つについて、思いつくだけ付箋に書き出しました。

  1. 生駒にあるもの・人・場所・活動

  2. 自分のスキル・得意/好きなもの/やってみたいこと・想い

  3. 身近な人の困りごと/生駒市の課題


1.生駒にあるもの・人・場所・活動

生駒山上遊園地、坂、山、空き家と書く高校生が多い様子。
生駒のことを熟知している市役所職員のみなさんは、恋文不動産などの高校生が知らない情報を書いてくれました

2.自分のスキル・得意/好きなもの/やってみたいこと・想い

子ども、音楽、食事が多かった印象。動画編集や人生相談、書類製作などのスキルも登場

3.身近な人の困りごと/生駒市の課題

プリクラ、飲食店、カラオケなど若者が遊ぶ場所がない事が課題と考えている人が多い印象。
自習室が少ない、バスが廃線になりかけているとの意見もありました

大学生スタッフや運営メンバーも含めた全員が参加したため、あらゆる目線で生駒のスポットや課題に気づくことができました。また、坂が多いことや地域の空き家などは、生駒の資源と捉える人もいれば、課題と捉える人も。なにか今後のヒントになりそうです!

予想外の組み合わせを考えてみよう

続いて、先ほど考えた①〜③の項目を組み合わせることでできる、おもしろそうなプロジェクト案を考えます。

しかし、組み合わせって難しい。プリクラが撮れる場所がなくて困っているけど、プリクラ機を置くだけではなにか違う。そんなとき、ひとりの高校生から「プリクラ機を求める理由を考えてみよう」との声が上がり、またひとつ先の「なぜ?」に進みます。

「生駒遊園地は、乗り物に乗っている時でもスマホを使っていいから、最近バズっている!」など、高校生ならではの意見も。また「組み合わせる時に全く違う種類、予想外の組み合わせをすることによって、おもしろいものがつくれるのではないか」と組み合わせ方の工夫に関する意見も出ました。年季の入ったチームのようですが、まだ会うの2回目ですからね。すごい!

最終的に合計16個の案が出て、そのうち3つに絞ることに。

  • 空き家×自習室×プチ家出

  • 音楽×広場 ※以下の写真とは少し異なっています

  • 高校生×スナック×人生相談

今回採用されなかった案も、おもしろそうなものばかり

テーマが決まった後は、メンバー決めに移ります。自分はどんなことにワクワクするのか、最後まで責任を持ってつくり上げたいかなど、自分自身と向き合って決めます。

いざ分かれてみると、スナックとプチ家出に人気が殺到。これだとうまく3チームにならないということで、もう一度みんなで考え直すことに。

「自分が参加者として楽しみたいのか、つくり手として楽しみたいのかを考えるべし!」というPMの小林さんからのアドバイスに、はっとする高校生たち。その後、無事に3チームにメンバーを分けることができました。現在は、Day3に向けてのリサーチ課題に取り組んでいます!

無事チーム分けが終わり、ホッとしている様子

Day2フィールドワーク・チーム分け会を終えて

高校生だけではなく、大学生スタッフや運営メンバーも、高校生が主体となってテーマを決めてうまくチーム分けができるかどうか、正直不安でした。しかしいざやってみると、ワクワクしながらテーマを考え、自分と対話しながらチーム分けをしていた高校生を見て、不安は吹っ飛び、これからの期待がさらに膨らみました。

フィールドワークで実際に感じたことや、興味関心や身近な課題など、自分自身と向き合ってじっくり考え抜いたことが、全員が納得する形でテーマを決めることができた一番の理由だと感じます。

次回は最終報告会までのロードマップづくりや中間報告会に向けた準備を行います。レポートも随時更新していくので、ぜひ引き続きチェックしてみてください〜!

また、「こんなことで高校生のお手伝いできるよ!」という方がいらっしゃいましたら、ぜひご連絡・お力添えいただけるとうれしいです。

生駒でおもしろく明るい未来を、一緒につくっていきましょう!

現場からは以上です!


みんなにも読んでほしいですか?

オススメした記事はフォロワーのタイムラインに表示されます!