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いこま未来Lab Day3プロジェクトのアイデア出し会レポート


こんにちは!ここにあるインターンの伊藤です。

9月3日に開催された「いこま未来Lab」Day3の様子をお届けします。

いこま未来Labは生駒市をフィールドに、高校生・大学生・地域の大人が一緒になって、新しい企画や活動に取り組むプログラムです。

既に地域で様々なご活躍をされているプロジェクトマネージャー(以下「PM」という。)のもと、約半年間で全5回のプログラムを通じ、様々な地域活動を知る事例紹介から生駒市内のフィールドワークを経て、以下の3チームに分かれてプロジェクトの企画立案から実践までを行います。

  • 空き家×自習室×プチ家出(以下「プチ家出チーム」という。)

  • 音楽×クラブ(以下「クラブチーム」という。)

  • 高校生×スナック×人生相談(以下「スナックチーム」という。)

Day3では、各チームのプロジェクトの進捗と現時点での課題を確認し、今後の計画を立てることがゴールです。今回も、プログラムに参加してくれた高校生と大学生スタッフたちの様子をお届けします!

Day2の様子も知りたい!という方はこちらからどうぞ。

文:ここにあるインターン 伊藤茅花(いとう つばな)

まずはみんなの近況報告からスタート

Day3の会場は株式会社ケーイーシー(以下「KEC」という。)が所有する社員研修用の施設「KEC古民家〜しょん」。高校生のほとんどが古民家の中に入ることが初めてで、興奮気味の様子です。

生駒山の中腹にひっそりとたたずむ古民家~しょん

前回から全員が対面で会うのは約1ヶ月ぶりです。事前にリサーチ課題が出されていたため、高校生はそれぞれのチームでオンライン会議を行い、少しずつ仲を深めているようです。しかし、リサーチのやり方やオンライン会議の進め方など、何もかもが初めての体験に少し苦戦している様子。これから上手くプロジェクトを進めることができるのかという不安でいっぱいの状態で会場に到着しました。

まずはそんな不安を取り除くため、みんなの近況報告からスタート。最近の出来事と今日の意気込みを一人ずつ発表しました。

この日は9月の初めで、高校生のみんなは夏休み明け。近況を聞いていると、次の日に夏休みの宿題を提出しなければならない人が続出。まだ残っている宿題の量を心配しながら参加しているという共通点を発見し、一気に場の空気がほぐれました。

全員で円になって、近況報告
お互いの顔を見ると、チームの垣根を越えてさらに仲良くなれた気がします

「対面で会える機会が少ないので、一回一回を大切にしていきたい」「みんなで話し合ってみたものの、まだふわっとしているところが多いので、しっかり詰めていきたい」と意気込みを伝えてくれました。

みんなの近況と意気込みを聞けたことで、「今日もみんなと一緒にがんばろう」と一気にやる気がみなぎりました。

続いてはドキドキのリサーチ課題の発表

場の雰囲気が温まったところで、続いてはリサーチ課題の発表です。

Day3ではチームの方向性をより明確にして今後の計画を立てるために、事前にリサーチ課題が出されていました。「自分たちはなぜこのテーマを設定したのか」「どんな人に来てほしいのか」「似たようなイベントは既に開催されているのか」など、企画の根幹となる部分についてオンラインで話し合いを重ねながら、考えてきてくれたようです。

リサーチした内容を発表し、運営メンバーや他チームのPMからフィードバックをもらうことで、現在の課題を把握し、さらに話し合いが必要な箇所を洗い出して午後のリサーチの時間につなげます。

最初の発表はクラブチーム

音楽を通してみんなが楽しめる場を作りたいメンバーで構成されたクラブチーム

普段クラブに行くことができない高校生を対象に、音楽に揉まれて色んな出会いが生まれるクラブを開催することを計画中です。健全なクラブにすることで、高校生に安心しながら、非日常を味わってほしいとの想いが込められています。リサーチを進めるにつれて、音が多少うるさくなってもいい場所の確保や周囲のイメージを悪くしない告知の仕方など、たくさんの壁が見えてきたそうです。

そんな高校生の発表を聞いた運営やPMからは「健全なクラブに魅力はあるのだろうか?」「クラブに行くこと自体にハードルがあるのではないか?」という深堀りや、参考になりそうな過去のイベントの紹介をしてもらいました。

他にも様々なフィードバックをもらった高校生は、現時点の課題を「そもそも高校生はクラブに行きたいと思うのか」「学生を対象にしたクラブを開催する意義」について考え直すことだと捉え、今後「高校生が気軽にクラブに来てくれる工夫を考えたい」と意気込んでいました。

続いての発表はプチ家出チーム

みんなで泊まれる場所をつくりたいという想いで結成されたプチ家出チーム

プチ家出チームは中高生を対象に、ふらっと立ち寄れる居場所をつくりたいと計画中です。居場所になれるような空間をつくり、「プチ家出」をする機会を提供したいと意気込んでいます。そして、いずれは宿泊ができるようにしたいとのこと。

調べるうちに、未成年は保護者に無断で外泊してはいけないことや、空き家を借りて活動を行うためには法律などによる制限がある事が発覚し、なかなかスムーズに企画を進めることができなかったと不安な様子です。

運営やPMからは「キャンプとの違いはなんなのか」「家出をしたいと思っている若者はどんな状況に置かれているのか」と企画の根幹を問われるフィードバックをもらいました。

他にも様々なフィードバックをもらった高校生は現時点の課題を「家出をしたいと思っている若者が置かれている状況についてリサーチすることが必要」だと捉え、今後「プチ家出の定義をはっきりと決めて、企画のコンセプトをまとめていきたい」と意気込んでいました。

最後はスナックチームの発表です。

人生相談に乗りたいという想いから結成されたスナックチーム

スナックチームは、悩みを誰かに聞いてほしい人や新たな出会いを求めている人を対象に、高校生と語るおしゃべり専門スナックを開催したいと発表してくれました。SNSでのつながりが多くなり、リアルでの出会いが希薄になっている今だからこそ、顔を合わせながら話せる場をつくりたいとの想いが込められています。そして、自分たちもお客さんの話をたくさん聞くことで、視野を広げていきたいと語ってくれました。

すると、「本来スナックは人生相談をしに行く場所ではないため、相談をしたいと思える工夫が無ければならない」「お客さんの年齢によって、抱える悩みが変わってくるのかも?」と運営やPMからフィードバックをもらいました。

高校生は「お客さんが相談をしやすい環境をつくるにはどうしたらいいのか」について、より重点的に考えていきたいと意気込んでいました。

プロジェクトを進める上での秘訣を伝授

各チームの課題が見つかったところで、今後はより一層プロジェクトを加速して進めていきます。しかし、高校生のみんなはイベントをつくること自体が初めて。何から始めればいいのか、どんなスケジュールで進めるのか、わからないことがたくさんあります。プロジェクトを進める上で大切にしたいことを、これまで様々なイベントに関わってきたお二人に教えてもらいました。

まずは太田さんのお話

「不器用な僕でも企画はつくれるゾ」というタイトルでお話をしてくれたのは、尼崎市にある「学習教室こかげ」で先生をしている太田洋平さんです。太田さんは先生をしている傍ら、地域の人を巻き込みながら、ゴミ拾いや自由研究などのイベントにプロジェクトリーダーとして携わっておられます。


高校生と同じ目線で話してくださり、高校生は「うんうん」と頷きながら聞いてくれました

そんな太田さんは「企画づくりはチラシづくり」だといいます。

チラシをつくるには、目的、対象、コンセプト、想い、雰囲気などを決めなければなりません。そして、それらを決めてしまえば、企画の方向性が決まります。チラシづくりをスケジュールの真ん中に据えるとプロジェクトの動きがわかりやすくなるそうです。

さらには、プロジェクトを進めるうえでよくみんなが苦戦する共通点を教えてくれました。「スケジュール通りに進まない」「トラブルの原因はコミュニケーション不足」この2点が実際にたくさんのプロジェクトに関わってきた中で太田さん自身もぶつかってきた壁とのこと。

「スケジュールがずれることはよくあること。そんなもんです。ただ、絶対に守るべきところや、周りの人に関わってもらうところだけは締め切りを守ろう」とアドバイスをもらいました。

また、トラブルの原因のほとんどはコミュニケーション不足。プロジェクトの内容だけでなく、何気ない話まで気さくにできる関係を築き、チームの連携を図るべきだと高校生に伝えてくれました。

続いては藤本の話

続いては、第3期いこま未来Labの運営を行っており、尼崎を拠点にまちづくりや場づくりなどの分野で活動する株式会社ここにある代表の藤本から企画の考え方について説明がありました。藤本は「カリー寺」や「おふろバー」など、今まで誰も想像つかないような企画をたくさん生み出してきました。

ちょうど企画案に悩んでいる高校生は
自分たちの企画の課題と照らし合わせながら真剣に聞いていました

「アイデアは既存の要素のかけ合わせ」

新たな企画を生み出すには過去に開催されたイベントや世の中の常識など、既存の要素を掛け合わせることが重要だと藤本は言います。既存の要素を日頃からたくさん集めておくことで、新たな企画を生み出すための引き出しを増やすことができるんだとか。もの・場所・人・課題など、どんな掛け合わせをしたら面白い企画ができるのかを考えることが醍醐味です。そしてイベントで使用したい物や場所など、自分たちの力だけでは不十分な部分を仲間の力を借りて完成させていく。たくさんの人を巻き込んで仲間を増やしながら企画をつくることで、イベントに来てくれる人も増やす。不十分さを恐れずに、どんどん発信しようとアドバイスしました。

お二人の話を聞いた高校生からは

  • 企画の軸を決めることはすごく難しいと思い込んでいたが、チラシをつくることに当てはめたら、楽しくできそう。

  • 「報・連・相」をしっかりすることでアイデアが膨らむかもしれない。これから徹底していきたい。

  • いきなり新しいことを考えようとして苦戦していたが、自分やチームのメンバーの既存のアイデアを組み合わせながら、みんなが来たくなるような面白い案を生み出していきたい。

との感想がありました。なかなか思い通りに行かないと、自分たちのチームだけが上手く進んでいないのかも…と心配になりがちですが、プロジェクトを進める上でのコツや共通の苦戦ポイントを学べたことで、これからは高校生たちに自信を持ってプロジェクトを進めてほしいです。

これまでとは違い、今回は午前中から発表やレクチャーで頭をフル回転させたので、お昼前にはみんな少し疲れが見えていました。そんな中、家の外からピザのいいにおいが、、、

お昼休憩は焼きたてのピザ

古民家〜しょんにはピザ窯があります。お腹をすかせた高校生のために焼きたてピザを用意しました。

冷凍ピザでも本格ピザ窯&薪で焼くと、とっても美味しい!

焼きたてのピザを食べて、午後のエネルギーを蓄えることができました。

午後からはさらにリサーチをしていきます

ピザでお腹がいっぱいになって、少し眠くなってきたところでもうひと踏ん張り!午前のフィードバックを踏まえて、もう一度企画の根幹を考え直します。自分たちは「なぜ取り組みたいのか」「どんなことをしたいのか」「どんな人に協力してもらいたいのか」「今後どんなスケジュールで進めていくのか」についてみんなで話し合います。

クラブチーム

午前中のフィードバックを踏まえて、「高校生が気軽に来たいと思えるようなクラブ」にするために必要なことを中心に議論が白熱しました。たくさんの参加者に来てもらうには、自分たちが友達を誘いたくなるような企画を考えなければなりません。

クラブにどんな要素を掛け合わせたら面白くなるかについて議論中
  • 高校生のバンドを呼ぶことで、出演者たちに集客を協力してもらう

  • ハロウィンやクリスマスなどの季節のイベントに合わせる

  • 当日の服装に一つ共通の色を入れることによって、映えを狙う

  • 本格的な会場を借りることで、本気のクラブを目指してみる

などなど、たくさんの意見が出ました。場所のリサーチや出演者への交渉など、中間発表に向けての今後の予定を立てる事ができたので、リモートでもみんなで協力してプロジェクトを進めていってくれることを期待します。

プチ家出チーム

午前中のフィードバックをもとに、「家出をしたい人はどんな状況であるのか、そしてどのような環境をつくれば、ほっとできる居場所をつくり出せるのか」を中心に議論をしていきます。

高校生が5人もいるプチ家出チームはたくさんの意見が出る一方で
全員の意見をまとめることに苦戦中
  • 家出といっても、人によって捉え方が異なる。どんな人をターゲットにするべきか

  • そもそも、家出をしたい人ってどんなことを考えているんだろう。直接話を聞きに行くことが最優先事項

    • 将来的には宿泊ができる物件を探さなければいけない

と現在の状況を整理していくと、居場所を求めている若者の声や、実際に居場所を運営している方に直接お話を伺うことが必要だと意見がまとまりました。今後は居場所のリサーチ班と物件調査班に分かれて動いていきます。

スナックチーム

「お客さんに気軽に相談してもらいやすくするためには?」をテーマに、再び自分たちがつくりたいスナックについて考えていきます。

少人数ですが、他のチームに負けないくらい議論が盛り上がってました
  • 肩書きをなくすと話しやすくなるのではないか

  • 相談といっても色んな種類がある。お客さんにテーマを持ってきてもらうことも面白そう

  • 高校生ならでは視点での意見やアドバイスが大人にとっては価値になるのかもしれない

  • 相談とは解決まで導くのか、それとも後押しする存在になるのか

人生相談とはなにか、高校生が提供できる価値について深く議論が進んでいました。今後はお客さんに満足して帰ってもらうための工夫についてさらに議論を重ねていくようです。

これまでは楽しそうだからやってみたいという意欲のみで動いていましたが、午前にフィードバックをもらったことにより、自分たち高校生だから提供できる価値や、なぜこれをやるべきなのかという意義について考えることができました。企画案のさらなる詳細や今後の予定が気になる方は、次回の中間報告会にぜひ来てくださいね。

Day3プロジェクトのアイデア出し会を終えて

頑張りたいという気持ちがありつつも、進め方がわからない、予定通り上手く進まないなど、実際に動き出してみることでたくさんの壁にぶつかってきました。しかし、Day3でプロジェクトの進め方やよくぶつかる壁について理解を深めることができ、さらには現時点でのチームごとの課題とこれからの計画を立てることができたため、高校生たちは少し自信を持つことができたと感じます。

付箋を使ってやるべきことを整理したことで、自分たちの進捗状況を理解することができました

いこま未来Labのコンセプトであった、「まち(生駒)のおもしろい大人と出会い、年齢関係なく友だちになって一緒にワクワクする挑戦をしてほしい」という運営の熱い想いがこれからどんどん実現してくると思います。

次回は待ちに待った中間報告会です。各チームがこれまで頑張ってきたことや今後の計画について発表します。そして、高校生のプロジェクトを応援したい、協力したいという大人の方にぜひ聞きに来ていただきたいです。

今後の活動もレポートにて随時発信していくので、ぜひ引き続きチェックしてみてください〜!

また、「こんなことで高校生のお手伝いできるよ!」という方がいらっしゃいましたら、ぜひご連絡・お力添えいただけるとうれしいです。

生駒でおもしろく明るい未来を、一緒につくっていきましょう!

現場からは以上です!

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