第3期いこま未来Lab Day5最終発表会レポート
こんにちは!ここにあるインターンの伊藤です。
今回は、1月14日に開催された「いこま未来Lab」Day5の様子をお届けします〜!
いこま未来Labは、生駒市をフィールドに高校生・大学生・地域の大人が一緒になって、新しい企画や活動に取り組むプログラムです。
既に地域で様々なご活躍をされているプロジェクトマネージャー(以下「PM」という。)のもと、半年間で全5回のプログラムを通じ、プロジェクトの企画立案から実践まで以下の3チームに分かれて行います。
空き家×プチ家出(以下「プチ家出チーム」という。)
音楽×クラブ(以下「クラブチーム」という。)
高校生×スナック×人生相談(以下「スナックチーム」という。)
Day5の最終報告会では、高校生の活動に興味・関心がある方や、プロジェクトを進めるなかでお世話になった地域の方々など、計10名ほどに来ていただきました。高校生がプロジェクト実践での過程や成果を振り返り、気づきや学びを報告することがDay5のゴールです。今回もプログラムに参加してくれた高校生と大学生スタッフたちの様子をお届けします!
前回の様子も知りたい!という方はこちらからどうぞ。
文:ここにあるインターン 伊藤茅花(いとう つばな)
これまで、様々な地域活動の事例紹介から生駒市内のフィールドワーク等を経て、プロジェクトの企画立案から実践までを行ってきた高校生たち。前回のDay4から最終報告会までの約3か月間で、各チーム何度もミーティングを重ね、イベント開催に向けて準備から当日の運営まで、様々なことに挑戦してきました。お互いに気を使っていた、出会ったばかりの半年前に比べると、もうすっかり仲良しに。みんなの前で発表することへの緊張と、もうすぐで第3期いこま未来Labが終了してしまう寂しさの両方を抱えながら、最終報告会に挑みます。
まずは毎回恒例の意気込み共有からスタート。「中間報告から成長した姿を見せたい!」「発表順がトップバッターだから、いい雰囲気を作っていきたい!」など、前向きな言葉が飛び交います。約半年間、様々なことに挑戦してきた高校生たちにとって、大勢の人の前で発表することはもう緊張しないのかもしれません。今までずっと見守ってきた運営の私たちは頼もしい気持ちでいっぱいです。
いこま未来Labの集大成、最終報告!
会場にはプロジェクトでお世話になった方、中間報告会を聞きに来てくださった方、各プロジェクトの参加者、自治会長さんなど、高校生から地域の大先輩まで、様々な年代の方が10名ほど集まってくださいました。
参加者の方が会場に入り、少し緊張感が漂う中、クラブチームから順に発表がスタートです!
有料イベントに挑戦!お金をいただく難しさに直面したクラブチーム
朝に開催するクラブとは一体?
一般的なクラブは夜に開催されるため、危ないイメージを持たれがち。しかし、このプロジェクトではクラブを朝に開催することで、安心して来てもらえる工夫を行っています。勉強や部活、学校行事などに追われ、毎日忙しすぎる日々を送っている高校生。そんな高校生に、音楽に触れながら新しい友達との出会いの場を生み出す「クラブ」に来てもらうことで、高校生活の思い出の一つにしてほしい!そんな願いが込められているのです。
クラブを作るとなると、機材やネオンの装飾を用意したり、DJのゲストを招いたりと、どうしても高額な費用がかかります。この費用をなんとか捻出しなければ....!そこで、参加費を徴収する有料イベントを開催することにしました。
しかし、当日会場に来た参加者の高校生はたったの1名。
クラブチームのみんなは必死に学校やSNSで参加を呼びかけるも、高校生がクラブを主催することに対する印象は悪かったようで、なかなかイベントの面白さを伝えられなかったんだとか。なかには「なんでクラブなの?」と怪訝そうに言われることも。
「本当に難しかったし、なかなか伝わらない…」「次のイベントが上手くいくか不安だった」など、とても悔しい思いをしたと報告してくれました。
あと1回イベントを開催することが決まっています。改善して、なんとかイベントを成功させたい!
そこで彼女らはクラブからパーティーに内容を変えて2回目を開催。
当初考えていたクラブの要素も残しつつ、みんなで一緒に楽しめるお菓子の家づくりワークショップも内容に追加し、再チャレンジ。
改善を重ねた2回目のイベントには6人の方に来てもらえたそうです。
クラブチームのみんなからは、「初めて集客をしてみて、人を呼ぶことがこんなにも難しいとは思わなかった!」「お客さんに楽しんでもらうには運営をしている自分たちがまず楽しむことが何よりも大事」などの気づきがあったようです。
イベント当日までにたくさんの苦労や悔しさを乗り越えた過程があり、運営の私たちが見えないところでもみんな必死に頑張っていたんだなと胸にじーんと響きました。
「お金を回すというのは凄いこと。大人になっても集客はいつも苦戦してしまう。結局は日頃のつながりを大切にすることで、イベントに来てくれることが多い」とPMからコメントを頂きました。有料のイベントを開催するのは高校生でなくとも、とても難しいことです。イベントを開催する期間だけではなく、日々のつながりをつくり続けることの大切さに気づくことができました。
お客さんに「スッキリ」して帰ってもらう工夫を重ね続けたスナックチーム
続いての報告はスナックチーム。同級生以外に地域の友達がいない。そんな課題から生まれたのが「スナック優しげ(ひろしげ)」です。スナックチームは、人の話を聞くことが好きというメンバーの長所と、つながりの希薄化という地域課題を掛け合わせ、高校生と語るおしゃべり専用スナックを発案。様々な人と交流ができる場を作り、色んな人の話を聞くことで自分たちの視野を広げたいとの想いが込められています。
来ていただきたいお客さんは、学校や職場以外の場で新たな出会いを求めている人や、気軽に話をしたい、話を聞いてほしい方々。年代は問いません。「高校生」というフレッシュな立場から、お悩みの傾聴やアドバイスをすることで、お客さんにスッキリとした状態で帰ってもらうことを目標に掲げています。
そんなスナックチームは、計2回のイベントを開催。カウンターを再現し、雰囲気づくりもばっちり。なんと1回目から、15人以上のお客さんが来てくれたようです。
ですが、1回目の実践では彼らが追い求めていた理想のスナックにはまだまだ辿り着かなかったよう。掲げた目標を振り返り「果たして、お客さんにスッキリした状態になって帰ってもらえたのだろうか」そんな疑問が彼らに残ります。お客さん一人一人に寄り添い、悩みを聞き出すことが出来ていないのではないか。お客さんが悩みを話したいと思えるようなきっかけ作りをするべきだという改善ポイントが明らかになりました。
そこで「スナックのママとマスターに本気でなりきる」「人数制限をして、一人一人の悩みに寄り添う」「お品書き(タロット占い、心理テスト、けん玉披露など)を作って、お客さんがママやマスターに話しかけやすい工夫を行う」この3つに取り組んだようです。
2回目のイベントでは学生から50代の方まで様々な年代の方が来店して下さり、大盛況。最初はおしゃべりから会話が始まったものの、生徒会に所属している高校生からまちづくりの分野でお仕事をされている社会人まで、マスターとママに本気で悩みを打ち明けてくれたようです。なんと私も気づいたら、マスターに本気の恋愛相談をしていました。
「同じ悩みを持つ人がいて、少し心が晴れて嬉しかった!」「また是非やってほしい!」との声を頂き、お客さんをスッキリさせることができたと少し自信がついたようです。
お客さんに楽しんでもらえる工夫を研究することがすごく楽しいと語るスナックメンバー。初対面の人とも長い時間お話ができたことで、トークスキルが上達したと新たな長所にも気づいたそう。「このまま終わるわけにはいかない。いこま未来Labが終わっても継続したい!」と宣言をしてくれました。
そんな報告を聞いた参加者の方から、次回に向けて頑張りたいことについての質問があり「トークテーマを書いたお品書きに頼りすぎずに、もっとたくさんのお悩みを聞いてお客さんをスッキリさせたい!」と目を輝かせながら答えてくれました。
現状に満足せず、まだまだレベルアップする「スナック優しげ」。乞うご期待です!
新たに生み出した「ポジティブな家出」に向き合い続けたプチ家出チーム
最後の報告は、家出チーム。家出といえば、親に反抗して勝手に家を出ることが想像されますが、このプロジェクトではポジティブな家出を提案します。それがチーム名にもなっている「プチ家出」です。
「今までと違った視点から自分自身を見つめること」を「家出」と捉え、中高生が気軽に立ち寄れる居場所をつくることに挑戦。「出会いと交流を通して新しい自分を見つける場所」をつくることを目標に掲げ、3回にわたって家出イベントを計画しました。
まずはイベントを開催する場所を探すことからスタート。施設の見学や所有者との連絡を重ねて、やっと場所を確保したものの、1回目は2人しか参加者が集まらず。2回目は集客を頑張って4人集まりましたが、ゲームやおしゃべりをするだけで終わってしまいました。「新たな気づきを得てほしい」という目標を掲げていたのに、参加者の気づきや感想がわからない。家出チームのみんなは「ただ場所を用意して集まってもらうだけじゃ、新たな気づきを得ることはできない」という壁に直面しました。
そんなプチ家出チームは3回目のイベントで「お互いのことを知るためのワークショップを行う」「居場所で過ごした時間を振り返って、どんなことを感じたかについて共有する時間を設ける」などの工夫を行ったようです。
その結果、イベント参加者から「緊張していたけど、勇気をふり絞って参加してみたら意外と楽しかった」という声を頂くことが出来ました。挑戦の一歩目を後押ししたことで、新たな自分を見つけるきっかけになったのではないかと考えています。既存の意味にとらわれず、話し合いを何度も重ねながら、自分たちの思い描く「家出」を追及し続ける姿はとてもかっこよかったです。
どのチームも、イベントを作り上げることはもちろん、プロジェクト運営に関わることさえも初めてだった高校生たち。オンラインでの会議のやり方やチームメンバーの頼り方など、何もかもが手探り状態でした。初めてのことでも楽しそうに学んで吸収していく姿に、私たち運営側も学ぶことがたくさんありました。
これからのアクション宣言!
「次は大学生スタッフとしていこま未来Labに関わりたい!」「なんでもいいや精神は卒業!」
この宣言は高校生一人ひとりが考えてくれた、ネクストアクションです。いこま未来Labで得た気づきや学びからさらに頑張ってみたいことをみんなの前で伝えます。「イベントプランナーになりたい」という将来の夢や、「今までは何をやろうとするにも、相手の反応を伺ってきたが、恐れず自分から行動していきたい。」という自身の成長に関する宣言もありました。
他にも「自分から一歩踏み出してみることは楽しい!」「自分から積極的に話しかけて、もっと友達を増やしたい!」「やると言ったことははやりきる!」など、今後も挑戦をつづける内容がたくさん。集客や会議など、たくさんの壁にぶち当たったものの、イベントを作り上げた高校生たちは自分たちで「つくる」ことの面白さに出会えたようです。
そんな高校生に負けじと、「探求心と積極性を持ち続けたい!」と大学生スタッフやPMも宣言をしてくれました。いこま未来Labが終わっても、みんなの挑戦は続きます。
第3期いこま未来Labを終えて
まち(生駒)のおもしろい大人と出会い、年齢関係なく友だちになって一緒にワクワクする挑戦をしてほしいという願いが込められていた、いこま未来Lab。プロジェクト実践を通して、まちの友だちを増やすことができました。
振り返ってみると、中間発表に来てアドバイスをくださった方、イベント場所や会議をする場所を貸してくださった方、相談に乗ってくださった方、視察を受け入れてくださった方、全力で応援してくださった方、イベントに遊びに来てくださった方など、沢山の方にお世話になりました。
たくさんの壁にぶち当たりながらも、明るくがむしゃらに頑張る高校生と、生駒を盛り上げたいと活動する地域の皆さん、どちらからもお互いにエネルギーをもらい合えたような気がします。
まちの友だちになることができた、このご縁を大切にこれからも生駒でおもしろく明るい未来を、一緒につくっていきましょう!
現場からは以上です!