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第3期いこま未来Lab Day4中間報告会レポート


こんにちは!ここにあるインターンの伊藤です。
今回は、10月15日に開催された「いこま未来Lab」Day4の様子をお届けします〜!

いこま未来Labは、生駒市をフィールドに高校生・大学生・地域の大人が一緒になって、新しい企画や活動に取り組むプログラムです。

既に地域で様々なご活躍をされているプロジェクトマネージャー(以下「PM」という。)のもと、半年間で全5回のプログラムを通じ、様々な地域活動の事例紹介から生駒市内のフィールドワークを経て、以下の3チームに分かれてプロジェクトの企画立案から実践までを行います。

  • 空き家×自習室×プチ家出(以下「プチ家出チーム」という。)

  • 音楽×クラブ(以下「クラブチーム」という。)

  • 高校生×スナック×人生相談(以下「スナックチーム」という。)

Day4の中間報告会では、高校生のプロジェクトに興味・関心がある方や支援したい方など、20名ほどに来ていただきました。高校生が各チームごとに設定したテーマの背景やこれまでの活動内容、今後の展望を報告するとともに、プロジェクトの実践に向けて、現在足りていないモノや場所を貸してくださる方や一緒に活動してくださる仲間を募集することがDay4のゴールです。

今回も、プログラムに参加してくれた高校生と大学生スタッフたちの様子をお届けします!

前回の様子も知りたい!という方はこちらからどうぞ。

文:ここにあるインターン 伊藤茅花(いとう つばな)

まずはみんなの意気込みを聞くことからスタート

前回のDay3から1か月半。全員が対面で会うのは久しぶりですが、チームごとにオンラインで会議を重ねたり、プロジェクトに関係する方に直接お話を聞きに行ったりするなど、盛んに活動を行ってきました。

そのため、前回よりもチームの仲がぐっと深まっていて、朝からみんなの会話が弾んでいました。プロジェクトを進めていくにはチームワークがとても重要です。プロジェクトの話に加えて、学校や趣味などの話を楽しそうにしている姿を見て、運営側は一安心。

高校生同士だけでなく、PM、大学生スタッフとも会話が盛り上がっています

そんな温かい空気の中、全員で意気込みを一言ずつ発表してから本日のプログラムがスタート。
「明日はテストだけど、今は切り替えて発表に集中する!」「今日の発表のために、一昨日から毎日みんなでオンライン会議をしたので、きっと大丈夫!」「緊張でお腹が痛いけど、なんとか頑張りたい!」と様々な意気込みが飛び交いました。みんな忙しい中、必死にプロジェクトに向き合っている熱意や様子が伝わってきます。

悔いのない発表をするために、最後のひと踏ん張り

これまでのみんなの頑張りを地域の方にしっかり伝えるために、午前中は各チームで発表の最後の仕上げを行います。

この中間報告会では、自分たちの今までの頑張りや今後の方向性を伝えるだけでなく、これからプロジェクトを進める際に足りていないモノや場所を貸してくださる方、支援してくださる方を募ります。どんな伝え方をしたら、自分たちの想いが伝わり、協力したいと思ってもらえるのか。PM、大学生スタッフとともにプレゼンの最終調整を行います。

発表の最初にみんなで家の形を表現しようと計画中のプチ家出チーム

待ちに待った中間報告会がスタート!

みんなで仲良く昼食を食べ終わり、いよいよ中間報告会がスタート。会場には大学生から地域の大先輩まで、様々な年代の方が20名ほど集まってくださいました。生駒で若い世代が新しい取組に挑戦する姿を応援したいという方やまちづくりに興味がある方、自治会の方などが参加されています。

参加者の皆さんの所属や年代は様々ですが、頑張る高校生を応援したいという気持ちは一つ

そんな参加者の方々に、高校生たちは自分たちの想いや今後の展望を伝えます。発表後に参加者の方々から、いつもとは違う視点のフィードバックや質問をいただくことで、企画内容をブラッシュアップしていきます。

最初の発表はスナックチーム

「スナック優しげ(ひろしげ)」という名で、高校生と語るおしゃべり専用スナックを企画しています。音の響きを大切に名付けた「スナック優しげ」は、メンバーの得意を活かしながら、自分たちが感じる社会課題を解決しようと試みています。

SNSで友達作りや恋愛までも行うことができる現在、高校生たちは便利さを感じつつも、リアルで新しい人との出会いが少ないことに寂しさを感じているようです。また、いこま未来Labに参加しているうちに、同年代の友達以外に地域の知り合いが少ないという課題にも直面しました。これらの課題を解決するために、「色んな人の話を聞くことで自分たちの視野を広げたい」×「様々な人と交流ができる場」=スナック を作りたいと計画中です。ただ課題を解決するだけではなく、人の話を聞くことが好きという自身の長所を活かしながら、様々な年代の人のお悩みを聞くことで、自分たちの視野も広げたいと高校生が熱く語ってくれました。

学校や職場以外の場で新たな出会いを求めている人や、気軽に話をしたい、話を聞いてほしい方に来ていただく予定です。普段は高校生と交流がないお客さんにとって、「高校生」という立場から、お悩みの傾聴や後押しをしてもらうことで、すっきりした状態で帰ってもらうことを目標にしています。

そんな彼らはスナックを開催できる会場探しや、雰囲気を出すことができるテーブルや座席などをそろえることに苦戦中だそうです。

欠席したメンバーの顔を作り、3人で精一杯想いを伝えます

そんな彼らの発表を聞いた参加者からは

  • スナック優しげ(ひろしげ)の響きがいいね!

  • おじさんの中には長時間独り語りをする人もいるため、高校生のメンタルが心配。その場合はどうするのか?

  • スナックと言えば、お酒を飲むことができるのか?

  • 自分が通っていたスナックではマスターがたまに質問を投げかけてくれて、お客さん同士で話す時間があってすごくおもしろかった。

などのフィードバックをいただきました。スナックに通ったことがある大人だからこそ出る意見や指摘、アイデアがあり、大いに参考になりそうな予感です。

続いての発表はクラブチーム

普段は年齢制限で禁じられている高校生を対象に、音楽に触れて新しい友達とのふれあいの場を生み出す、朝開催のクラブを開催予定です。クラブは夜に開催されるため、危ないイメージを持たれがちですが、このプロジェクトでは明るい時間に行うことで、安心して来てもらいます。

高校生は勉強や部活、行事など様々なことに追われ、忙しすぎる日々を送っています。クラブイベントには、そんな忙しい毎日の中で一日だけでも非日常を感じてもらい、高校生活の一つの思い出にしてほしいとの願いが込められています。音楽を生で感じ、感動を共有し、フランクな雰囲気の中で新しい友達と絆を深めることで、ストレス解消と新たなコミュニティの形成を目指しています。

発表のスライドもクラブを想像させるようなネオンが煌めいています

クラブのイメージといえば、DJが客層や雰囲気に合わせて会場に音楽を響かせます。彼女らが計画しているクラブにもDJをお呼びします。しかし、ただDJを呼ぶだけではなく自分たちも学んでみたいと、実際にDJをされている方に機材の使い方を教わる時間を設けるなど、体験型のイベントを提案。

今後は計2回のクラブイベントの開催を予定しており、会場も既に決定しています。しかし、押さえた会場は空きテナントで、用意したDJ機材があるだけ。クラブの雰囲気を出すためには照明設備、音響設備、DJのステージなどが必要です。購入するには高額になる備品ばかりで苦戦していました。

机の上に機材をのせるだけでは雰囲気がでないと悩み中

そんな彼女らの発表を聞いた参加者からは

  • 参加者同士の繋がりを作ることは大切だが、いったいどのような工夫がなされているのだろうか?

  • 参加者が高校生限定なので、大人に協力してもらうには大人へのメリットも考えた方がいいのではないか?協力する大人が楽しめる場があってもいいのでは?

とのフィードバックをいただきました。与えてもらうだけではなく、協力する側のメリットも考えた方がより多くの方に支援してもらえるはずです。より多くの方に関わってもらいながらプロジェクトを進めるヒントを得ることができました。

最後はプチ家出チーム

会場の参加者に「家出をしてみたいと思ったことはありませんか?」という投げかけからプレゼンを始めた家出チーム。大人になると注意する側に回ることが多くなりますが、いざ問われてみると、自分にもそんな時期もあったなぁと思い出させてくれます。

そんなプチ家出チームは、中高生が気軽に立ち寄れる居場所をつくりたいと計画中です。家出というと、親に反抗して勝手に家を出ることを想像しますが、このプロジェクトでは「今までと違った視点から自分自身を見つめること」を「家出」と捉えています。

親や学校からは正しい答えを求められる一方で、国や教育機関は答えのない問いを考えさせようとしてくる。私たち高校生は板挟みになっているんだと訴えるプレゼンメンバー。

そんな高校生たちに、出会いと交流を通して「新しい自分を見つける場所」をつくりたいと考えています。プチ家出チームのメンバー自身も、いこま未来Labで様々なメンバーと活動するうちに、他のメンバーの凄さに圧巻する一方で、自分の強みに気づく事ができたと言います。そんな気づきを他の高校生にも得てほしいとの想いが込められています。

保護者からの理解を得ることができる「家出」とは何なのかについて必死に考えました

そんな彼女らの発表を聞いた参加者からは、

  • 保護者の立場からすると、家出はかなり心配。どんなプログラムが用意されているのかについて詳しく知ることができたら、少しは安心できるかもしれない。

  • 「家出」というネーミングを使うには少し配慮が必要。

  • どのように交流を生み出していくのだろうか?内輪感がでるのでは?

などの意見が出ました。参加者の方には子育て中の方もおられます。企画内容としては興味が惹かれるものの、実際に自分の子どもを送り出すにはかなり不安が残るそうです。「家出」というマイナスに捉えられる表現を使っているからこそ、周囲の理解を得ることが前提です。高校生だけでなく、周りの大人からも理解を得た上で、自分たちの考える「家出」を実現できるようにこれから精一杯頑張っていきます。

最後は支援者とのマッチング会

様々な年代・分野の方が沢山来てくださったおかげで、高校生は新たな視点や課題に気づくことができました。参加者の中には高校生の報告を聞くだけでなく、プロジェクトに協力したいと意気込んでくれている方もいます。

そして、最後は参加者と各プロジェクトのマッチング会です。高校生のプロジェクトの報告を聞いて、参加者の方々は協力したい内容がより具体的になったはずです。そんな参加者と高校生が各チームに分かれ、どんな支援をもとにプロジェクトを進めていくのかについて話し合います。

高校生の熱量に感化され、参加者の皆さんもより一層話し合いに熱意がこもります

より詳しく参加者の方から支援内容のお話を聞くと

  • レンタルスペースを貸し出していて、2部屋貸し出すことができる。ロフトやピアノがあるため今回の「家出」にぴったりだし、カウンターがあるのでスナックにも使えそう。

  • おじいちゃんの空き家がある。しかし、モノがいっぱいで片づけなければいけない。一緒に片づけをしてくれれば、貸すことができるかも。

  • 知り合いにスナックのママがいる。お繋ぎすることならできる。

  • 何もモノは貸せないが、広報ならお手伝いができる。

とのご意見がありました。

高校生からはただ与えてもらうだけではなく、それぞれの支援者に対して自分たちができることで還元したいと、今後のプロジェクトに一層熱意がこもりました。

Day4中間報告会を終えて

かなり前から緊張していた中間報告会が終わり、高校生のみんなはホッとしている様子。たくさんの大人の前で発表することはもちろん、自分たちが必死に考えたプロジェクトに興味を持ってもらえるかどうか不安でいっぱいでした。しかし、参加者の方に「面白そう」「イベントに行ってみたい」と応援していただけたことで、不安が消え去り、自信がついたように感じます。

いこま未来Labのコンセプトであった、「まち(生駒)のおもしろい大人と出会い、年齢関係なく友だちになって一緒にワクワクする挑戦をしてほしい」という主催者の願いが、各プロジェクトの実践を通じて実現されると思います。

中間報告会での新しい出会いも、まちの大人と友だちになって一緒にワクワクできた瞬間かもしれません

次回はいよいよ最終報告会です。

これから3か月のプロジェクト実践期間を経て、成果発表を行います。中間報告会に来てくださった方はもちろん、高校生のプロジェクトに興味・関心がある方にぜひ聞きに来ていただきたいです。

今後の活動もレポートにて随時更新していくので、ぜひ引き続きチェックしてみてください〜!

後日談・・・

地域コミュニティマガジン「現場からは以上です!」をいつもご覧いただき、誠にありがとうございます。生駒市地域コミュニティ推進課の白川です。
ここからはDay4(中間報告会)の後日談を掲載させていただきます。

「いこま未来Lab」は、未来に羽ばたく若い世代が、生駒に関わる様々な大人と出会い、一緒にワクワクしながら新たな挑戦に取り組むことで、年齢関係なく「まちの友だち」となることを目的とする事業です。

ただ、それは高校生を中心とした新しいコミュニティを作ることだけを目指すものではありません。この事業(高校生が主体となる新たな挑戦)をきっかけとして、生駒に関わる多様な主体間の新しい関係(つながり)が生まれることを目指しています。

今回の中間報告会に一般参加してくださった方が、この場を通じた(一般参加者同士の)新しい出会いによって、より生駒のまちと深く関わるきっかけを掴んでくださいました。そのことをご自身のSNSで発信してくださっていて、とても素敵なストーリーなのでご紹介させていただきます。

色々と縁があり、生駒駅前徒歩5分のところで民泊を始めるPJに関わり始めました。「地元の高校生と一緒に運営する民泊」という今までにないものを作る仕事です。

ことの発端は、”いこま未来Lab(地元の高校生がまちや大人とつながる活動)”でのこと。

地元で行われている行政の面白い活動を見てみたいと思い中間発表会に参加したところ、グループディスカッションの席でこのPJに関わるAさんと知り合い、その翌週にはこのPJの発起人でありフリースクールを運営する代表者さんと出会う。

お二人が目指す風景の楽しさ、借りた民家の謎の魅力、そして地元。これは"とにかくやってみなさい”ということだなーと直感し「建築的なことが本当に必要かまだわからないんですが、関わらせてください」とお願いし、今に至ります。

ご自身のSNS投稿より一部抜粋

いこま未来Labでは、今期のプロジェクトに関わらず「こんなことで高校生のお手伝いできるよ!」という方を随時募集しております。

具体的な資源(プロジェクトで使わせていただける場所やご自身のスキルなど)をお持ちの方、高校生の支援を通じてまちと関わるきっかけを求めている方などは、ぜひ生駒市地域コミュニティ推進課までご連絡いただけるとうれしいです。

生駒でおもしろく明るい未来を、一緒につくっていきましょう!

現場からは以上です!